Hotel Asset Management |
Vision Design

当初のビジョンやミッションを定めた当時、在籍していた社員は10数名程度。現在は50名を超え、それぞれが入社した経緯や担う役割、働くモチベーションなどが多様になり、会社としての目指すべき方向性や一体感を感じにくい状態にありました。

「旅」のあり方にも変化が訪れています。単純な「観光」から、旅を歴史・文化を学ぶ機会として捉えたり、地域の「土地の記憶」を追体験する機会として楽しむこともあったり。さらに、地域住民や自然環境・地域の文化に敬意を払いながら、自分たちも地域の一員となって長期的に地域を盛り上げていく「ステークホルダーツーリズム」という概念も生まれています。

「投資」の世界では、ホテルを投資対象として捉え、短期的な利回りだけを考える人が増えていることも事実です。それだけでは消費型観光が促進され、各地域の長期的な発展にはつながりにくい。また日本各地で、外資オペレーターやファンドの進出が加速しており、このままでは、日本の観光産業の成長による利益が、最終的に海外に流出してしまうリスクもあります。

こうした環境変化を受けて、当初定めたビジョンやミッションを、自分たちの言葉で新しく表現する必要があるのではないかと考え、プロジェクトが始動しました。

戦略デザインファームBIOTOPEのプロジェクトリードとして、デザインリサーチの設計・統合から、経営層を巻き込んだビジョンワークショップのファシリテーション・統合、価値創造モデル/ビジョンストーリーの策定を担当しました。


Client

大手ホテルグループ 資産運用会社(ホテルREIT)

Role

Project Lead
Vision Design
Workshop Facilitation
Design Research
Photography
※BIOTOPE業務委託メンバーとして参画

Outcome

クライアントの中には、様々なモチベーションや役割を持った社員が存在していました。

これからの旅がもたらす豊かさ・可能性や、地域の未来の景色を考えたい人、
そうしたまだ価値が不透明なモノに対して、投資を呼び込む指標や仕組みを考えたい人、
両者が心地よく働けるよう、理想の組織(制度やオフィスのデザイン等)について考えたい人、

全4回のワークショップの場を通じて、一見無関係に見えたり、相反しているように見える要素が、相互に関係しあうからこそ、クライアントにしかできない、ユニークな可能性を生み出し得るのではないかと仮説を立て、ビジョンと価値創造モデルを策定しました。

金融の世界では、旅に投資という信頼と共感を募ること、
ホテルの世界では、オペレーターとともに、選ばれ続ける「おもしろい旅」を日本中に創ること、
この二つを通して、日本の旅に持続可能な投資を呼び込んでいく。

組織の世界では、金融・不動産の確かな「専門性」と、旅への「情熱」を持った人材が、新しい投資と旅の創造を可能にしていく。

そして、日本中に「おもしろい旅」を創り、「旅で人と地域に豊かさを巡らせる」ことで、これからのさらなる投資を呼び込んでいく。

そんな、日本初の観光特化型REITだからこそできることを追求しました。

Ethnography
Research

これからのビジョンや価値創造モデルを考えるヒントとして、実際に投資を手掛けているホテルや旅館に赴いて、滞在型のリサーチを実施しました。

・投資のBefore/Afterで、どんなシーン/ストーリーが生まれているのか?
・これまでの仕事の中で、どんな「らしさ」が発揮されていたか?
・これから、どんなことを可能にする投資が求められているのか?

企業の未来について、参加者がそれぞれの想いを馳せられるよう、総支配人、コミュニティゾーン担当、ファシリティマネージャー、営業担当、現場スタッフなど、ホテルで働く様々なヒトの言葉を、可能な限りそのまま掲載しています。

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